心不全は悪化すると体に水分が溜まってしまい、臓器のバランスが崩れて悪循環に陥ります。そうならないために4つのことに注意して自己管理する必要があります。
体重管理:目標体重を維持する
体重の増加は心不全の兆候を早期に発見するための手がかりとなります。若い人であれば体重が増えると食べ過ぎ・運動不足で脂肪が増えたために「太った」こと意味しますが、心不全の方の場合は心臓が悪いために体の水分の調節がうまくいっていないことを意味します。
そのため、毎日決まった時間(朝の排尿後)に体重を測定することで体の水分量の目安とします。
体重が連日増加している場合は、心不全が悪化している可能性があります。
血圧管理:目標血圧を維持する
血圧が高いと心臓の負担になり、心不全が悪化します。
毎日 1日2回(起床後と寝る前)の血圧測定が望ましいです。血圧の正しい測り方については、正しい血圧の測り方を参考にしてください。
目標血圧は人によって異なりますが、通常の目標値より低い血圧を目標とすることも多いです。
塩分管理:1日の塩分は6g未満
塩分の摂りすぎは、血圧の上昇や体に水分が貯まる原因となり、その両方によって心不全は悪化してしまいます。通常、入院中は6gの塩分制限食を食べてもらい、その状態で薬を調整しています。もし、退院して自宅での塩分量が多いと心不全の薬も血圧の薬も不足してしまい心不全が早期に悪化してしまします。
毎日塩分を6gに制限することは難しいかもしれませんが、「昨日は塩分を摂りすぎたから今日は控えておこう」など自己管理をすることが大切です。
薬の管理:自己判断で薬をやめない
心不全は数種類の薬を組み合わせて治療しますので、心不全になると一気に薬の数が増えてしまいます。「この薬は効いていない気がする」などと考えて自己判断で中断するのは危険です。
心臓に詳しくないとその必要性が分かりにくい薬もあり、心臓を専門としない医師でもその効果を見誤ってしまう場合もあります。心臓の薬は専門性が高い大事な薬なので勝手に自己中断しないようにしましょう。