末期の腎臓の代わりとなる治療法のことを腎代替療法と言います。
腎代替療法には、血液透析・腹膜透析・腎移植の3つがあり、腎臓内科医を中心とした多職種の医療従事者、患者さんやそのご家族で話し合って最善の治療法を選択します。
血液透析
透析病院へ通院の上で、週3回・1回4~5時間の血液透析を行います。
血液透析を受けるための準備として、血液を体外に取り出す血管(内シャント)をあらかじめ作っておく必要があります。
しかし、完全には腎臓の機能を補完することができなため、食事療法・降圧薬・リン吸着薬・貧血に対する薬剤などが必要とされます。
腹膜透析
自分の体にある腹膜を利用して血液中の老廃物・水分を取り除く、自宅などで行う透析です。
腹膜透析を受けるための準備として、お腹にカテーテルを入れる手術が必要となります。
通院回数は月に1-2回で、1日に3-4回バックを用いて透析液を交換する方法(CAPD)と就寝中に機械で自動的に行う方法(APD)の2種類があります。
腹膜透析の最大のメリットは、身体への負担が少なく、仕事や旅行などの制限が少ないという点です。
腎移植
腎移植には、血縁者・配偶者から腎臓を提供してもらう生体腎移植と、亡くなった方から腎臓を提供していただく献腎移植があります。
日本では生体腎移植が腎移植全体数の約85%を占めています。
献腎移植については、約12,000人の腎不全患者さんが登録されていますが、腎移植を受けることができる方は毎年約1-2%で、移植までの平均待機期間は約15年間です。