僧帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁とは?

僧帽弁とは、「心臓の左側の部屋の間にある扉」のことで、開いたり閉じたりすることによって、左心房から左心室へ送り出された血液が逆流しないようにしています。

僧帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左側の部屋にある僧帽弁の閉まりが悪くなり、血液が左心室から左心房へ逆流してしまう病気です。逆流した血液が心臓にとって大きな負担となります。

僧帽弁閉鎖不全症の3つのステージ

軽症、中等症、重症の3種類あり、徐々に重症となっていきます。

僧帽弁閉鎖不全症の原因

僧帽弁の閉まりが悪くなる原因は、大きく次の2つに分けられます。

①一次性(器質性)
僧帽弁そのものが壊れてしまうことで、弁が閉じた時にすき間が生じ、そこから逆流が起こる。

・腱索という僧帽弁についているヒモの断裂によるもの
・リウマチ熱、感染性心内膜炎などの病気によるもの
・生まれつき弁の形が異常である(バーロー症候群・マルファン症候群など)

②二次性(機能性)
心筋梗塞・心不全・心房細動などが原因で左心房や左心室が大きくなり、僧帽弁が引っ張られて閉まりが悪くなってしまうことで逆流が生じる。

僧帽弁閉鎖不全症の経過

僧帽弁から逆流した血液が、軽度であれば無症状で経過しますが、重症(人によっては中等度)となると、息切れ・動悸・易疲労感などを生じ、さらに悪化した場合には心不全となります。

心不全については、心不全ってなに?をご参照ください。

治療が必要なタイミング

①僧帽弁そのものが壊れてしまっている場合
症状の有無、症状がなくても心臓のエコー検査の数値(左室駆出率≦60%、左室の大きさ(左室収縮末期径≧40mm、肺動脈収縮期圧>50mmHg)、心房細動の有無、によって手術の必要性を判断します。

②他の心臓病が原因の二次性(機能性)の場合
他の心臓病に対する内科的な治療を十分に行った後、弁膜症チームによって手術が必要か判断します。

手術には、弁形成術(壊れた弁を修復する手術)と人工弁置換術(人工の弁に置き換える手術)が行われます。
さらに最近は、手術リスクが高い患者さんを対象にマイトラクリップというカテーテル治療があります。

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