大動脈弁とは?
大動脈弁とは「心臓の出口にある扉」のことで、心臓から全身に血液が送り出される時に開き、心臓へ血液が逆流しないように閉まるということを繰り返しています。
大動脈弁狭窄症とは?
大動脈弁狭窄症は、心臓の出口である大動脈弁が壊れて開きづらくなり、血液を送り出すために心臓が常に頑張らないといけないため、それが心臓にとって大きな負担となる病気です。
大動脈弁狭窄症については、心不全入院が必要であった弁膜症の種類もご覧ください。
大動脈弁狭窄症のステージ
軽症、中等症、重症、超重症の4種類あり、徐々に重症となっていきます。重症となっても初期では無症状のこともあり、無症状と思っている人でも検査をすると実は半数の人は症状があったという報告もあります。
日本の大動脈弁狭窄症の推定患者数は284万人で、重症の方は56万人もいると言われています。
大動脈弁狭窄症の原因
大動脈弁の開きが悪くなる原因は、主に次の3つです。
・動脈硬化によって弁が壊れる(加齢、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病など)
・生まれつき弁の形が異常である(二尖弁など)
・リウマチ熱などの病気で弁が壊れる
大動脈弁狭窄症の経過
大動脈弁の狭窄が徐々にひどくなったとしても、心臓はその変化に順応し長期間無症状であることが多いです。
しかし、狭窄がある限り心臓には常に負担がかかっているため、徐々に心臓が弱っていき、最終的に全身に十分な血液を送り出せなくなり、胸痛・失神・心不全を発症します。
大動脈弁狭窄症の症状や予後については、大動脈弁狭窄症をほったらかしにすると…、手術をしなかった場合の大動脈弁狭窄症の5年生存率もご覧ください。
手術が必要になるタイミング
大動脈弁狭窄症の手術適応は、症状の有無、心臓のエコー検査の数値(最高流速、平均圧較差)によって判断します。
根本的な治療は、「壊れた扉(大動脈弁)」を取り替える手術が必要です。
治療に関しては、大動脈弁狭窄症に対する開胸手術とカテーテル治療(TAVI)ご覧ください。